投稿者:桜井幸代(私市西)投稿日:2024/07/06
私のふるさとは福井県大野市です。小高い丘の上に大野城が建っています。城下町で街並みは碁盤の目のようになっていて、北陸の小京都と言われています。昔は豪雪地帯と言われたところで、特に昭和38年と56年は歴史に残る程のひどい積雪でした。
空が真っ黒くなり、来る日も来る日も雪が降り続き、屋根から降ろした雪が二階迄届き、二階から出入りする家もありました。雪の降らない場所に住む人には想像もつかない位、春の訪れが待ち遠しく嬉しいものでした。家の前に幅50センチくらいの小川が流れていましたが、まだ雪が残っているのに、その岸に小さな黄緑の「フキノトウ」を見つけたときは、近づく春を感じてとても嬉しかったものです。
父はサラリーマンで農作業は主に母がやっていました。私が小さい頃は蚕や葉タバコの生産もやっていて、近くに3~4軒で共同の葉タバコを乾燥する土蔵のような建物があり、当番制で火の面倒を見ていました。そこで焼いてもらうジャガイモやサツマイモを食べるのが楽しみでした。
その頃は小学生の労働力もあてにされており、田植えと稲刈りには学校が1週間ぐらいお休みになりました。今では考えられないことです。
近くでゼンマイ、ワラビ、キイチゴ、ササユリなどいっぱい取っていました。冷蔵庫、洗濯機、掃除機などが無い時代、母の家事労働は大変だったと思います。今でも田舎といえば空気や水がきれいでのんびりと過ごしていると思われがちですが、屋根の雪下ろしや農業にしても環境はとても厳しいものです。
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