投稿者:山下 朝子(寺)投稿日:2024/08/06

大洲城(右中央)と肱川

 四国愛媛県の伊予大洲おおず駅から城下町を歩いて10分くらいのところに、豊かな緑に囲まれた肱川ひじかわの川辺にたたずむ大洲城があります。日本で初めて天守閣で宿泊できるようになったお城です。そこからバスで20分、自然豊かな肱川に沿って山間を走ったところに私の故郷「藤の川」があります。

 6人兄妹の4女として生まれました。山と川がとても美しいところです。子供の頃は川で泳ぐのが得意でした。学校にはプールはなく、小学5年生の時に渡し船から船着き場まで1位でゴールしました。さらに市の大会に選手として選ばれ、訓練を受けたクロールで優勝しました。8軒しかない地区全員に祝って貰い、山で採れたクリがたくさん入った蒸しパン、肱川でとれたアユの塩焼き、畑で採れたキュウリの酢の物など今思うと素朴なものですが、とっても美味しく嬉しかったものです。

 大雨が降ると、対岸にかかっている橋が板で出来ていたため、流される場面を何回も見ました。学校に通う橋ですからつらかったです。その都度、村中の人でまた架けます。今は鉄筋の頑丈な橋になっています。

父は長男と、男衆を雇い、炭を焼いていました。当時は貴重な炭、クヌギが高値だったと記憶しています。それとヒノキを伐採して出荷していました。これが家計の収入源となっていました。

 また、母と畑によく行き、広い畑の中で3坪程を私に与えて季節毎に植え方を教えてくれ、収穫時には褒めてくれたのを覚えています。今思えば、私に作る喜びを教えたかったのでしょう。お陰で今も新鮮な野菜を食べています。そんな両親も父60才、母73才で他界しました。

 6人いた兄妹も田舎の3人は他界し、奈良と大阪にいる女3人が健在です。3姉妹が会うたびに「小柄な母だったけれど、いつも手作りでお腹一杯食べさせてくれたよね」と・・・ 私の自慢の故郷です。